Project2:兵庫県地域別GRP

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成28・29年度の動向と平成30年度の見込

2018/07/04

1.平成28年度の兵庫県経済を振り返ると、前半は前年度からの影響が残り、住宅投資が低迷するなど、緩慢な動きであった。労働市場に改善の動きがみられたが、個人消費がほぼ前年度水準の横ばいの状況であった。
他方、企業部門の堅調な動向に加え、景気対策効果の浸透やASEANなどアジア新興国への輸出の底打ちなどもあり、年度後半から持ち直しの動きがみられた。地域別にみると、外需回復の遅れなどを反映し、神戸市や東播磨地域では弱い動きとなった。
総じてみると、底堅い動きが続き、平成28年度のGRP(実質値)は前年度比プラスを維持した。

2.平成29年度の兵庫県経済は、前年度後半からの流れを受け継ぎ、持ち直しの動きが持続した。GRP(実質値)前年度比は、プラス幅が大きくなると見込まれる。
労働需給が引き締まり、雇用者所得が緩やかに増加したことが、個人消費の持ち直しにつながった。企業部門も、中国や欧州向けなどの外需の強まりを反映し、堅調な動きが続いた。設備投資は大きく増加した28年度の動きを維持している。
また、国内観光客やインバウンドツアーの観光地入込を背景に、ホテルの客室稼働率が高水準で推移し、景気改善に寄与した。

3.平成30年度の兵庫県経済は、引き続き堅調な外需や、物流関連での投資などを反映し、企業部門を中心とした成長の動きが続くと見込まれる。家計部門においても、所得環境の改善などから、腰折れする可能性は少ないと考えられる。もっとも、国内面では人手不足の深刻化、対外面では原油価格の上昇や米国の貿易政策からの影響といったマイナス要因もあげられる。

資料データ

経済指標長期時系列兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成28・29年度の動向と平成30年度の見込

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