Project2:兵庫県地域別GRP

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成29・30年度の動向と平成31年度の見込

2019/04/01

1. 平成29年度の兵庫県経済は、前年度後半からの流れを受け継ぎ、持ち直しの動きが持続し、平成29年度のGRP(実質値)前年度比は、プラス幅が平成28年度より拡大した。
 労働需給が引き締まり、雇用者所得が緩やかに増加したことが、個人消費の持ち直しにつながった。企業部門も、中国や欧州向けなどの外需の強まりを反映し、堅調な動きが続いた。設備投資は大きく増加した前年度の動きを維持している。
 また、国内観光客やインバウンドツアーの観光地入込を背景に、ホテルの客室稼働率が高水準で推移し、景気改善に寄与した。

2.平成30年度の兵庫県経済を振り返ると、、企業部門において、人手不足を背景とした省力化への需要や設備老朽化に伴う更新需要などから活発な投資が続いた。ただ、年度後半になると、中国向けを中心とした輸出の伸び悩みなどを反映し外需が低調と なり、生産活動も弱含みとなった。
 他方、家計部門では、天候要因があったものの、雇用・所得環境の改善を背景に、個人消費は緩やかな増加ペースを維持した。このため、平成30年度のGRP(実質値)は前年度よりプラス幅が更に拡大すると見込まれる。もっとも、国内面では人手不足の深刻化、対外面では米国の貿易政策からの影響といった先行き不透明感が増した。

3.  平成31年度の兵庫県経済は、消費増税が10月に予定されており、購買力の低下が個人消費を下押しするものと考えられる。もっとも、平成26年と比べて税率の引き上げ幅が小さいほか、軽減税率の導入など家計の負担増が緩和策が検討されており、消費が腰折れする可能性は少ないと見込まれる。

資料データ

経済指標長期時系列兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成29・30年度の動向と平成31年度の見込

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