Project2:兵庫県地域別GRP

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の2017・2018年度の動向と2019年度の見込

2019/07/16

1. 2017年度の兵庫県経済は、前年度後半からの流れを受け継ぎ、持ち直しの動きが持続し、2017年度(平成29年度)のGRP(実質値)前年度比は、プラスに転じた。
 企業部門において、中国や欧州向けなどの外需の強まりを反映し、堅調な動きが続いた。設備投資も前年度に続き強めの動きを維持した。他方、家計部門では労働需給が引き締まり、雇用者所得が緩やかに増加したことが、個人消費の持ち直しにつながった。
 また、国内観光客やインバウンドツアーの観光地入込を背景に、ホテルの客室稼働率が高水準で推移し、景気改善に寄与した。

2.2018年度の兵庫県経済は、米中経済摩擦の影響から後半に外需が減速したものの、人手不足を背景とした省力化投資、設備の老朽化に伴う更新需要やなど投資も活発で、企業部門を中心とした成長の動きが続いた。家計部門においても、所得環境の改善などから、個人消費は緩やかな増加ペースを維持した。こうした動きから、2018年度(平成30年度)のGRP(実質値)は前年度に比べ、プラスを維持した。

3.2019年度の兵庫県経済は、外需に弱い動きがある一方、内需は底堅く推移している。今後、消費増税が10月に予定されているものの、2014年と比べて税率の引き上げ幅が小さいほか、軽減税率の導入や景気下支え策が準備されており、2019年度(平成31年度)のGRPが腰折れする可能性は少ないと考えられる。
 もっとも、国内面では人手不足の深刻化、対外面では原油価格の上昇や米国の貿易・対外政策からの影響といったマイナス要因に引き続き注意が必要である。

資料データ

経済指標長期時系列兵庫県内の地域別GRP(支出側)の2017・2018年度の動向と2019年度の見込

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