Project2:兵庫県地域別GRP

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成29・30年度の動向と平成31年度の見込

2018/12/24

1.平成29年度の兵庫県経済は、前年度後半からの流れを受け継ぎ、持ち直しの動きが持続したことから、年度全体でみると平成29年度のGRP(実質値)前年度比は、28年度のマイナスからプラスに転じた。
中国や欧州向けなどの外需の強まりを背景に、生産の堅調な動きが続いた。また、設備投資も増加の動きを維持するなど、企業部門が全体の動きを牽引した。
同時に、労働需給が引き締まり、雇用者所得が緩やかに増加したことが、個人消費の持ち直しにつながった。国内観光客やインバウンドツアーの観光地入込を背景に、ホテルの客室稼働率が高水準で推移し、景気改善に寄与した。

2.平成30年度の兵庫県経済は、対外面では原油価格の上昇や米国の貿易政策からの影響、国内面では人手不足の深刻化、夏場の自然災害による影響といったマイナス要因の圧力が強まったこともあり、年央には全体の動きも鈍くなった。ただ、家計部門では、所得環境の改善などから、個人消費は緩やかな増加ペースを維持している。企業部門でも老朽化に伴う更新需要や人手不足を背景とした省力化投資といった活発な投資が続いている。このため、平成30年度のGRP(実質値)は前年度に続きプラスを維持すると見込まれる。

3.平成31年度の兵庫県経済は、企業部門では米国の経済政策の影響から外需の牽引力が低下すると共に、家計部門も消費増税が10月に予定されており、購買力の低下が個人消費を下押しするものと見込まれる。もっとも、2014年と比べて消費税の税率の引き上げ幅が小さいほか、景気下支え策が検討されており、大きく腰折れする可能性は少ないと考えられる。

資料データ

経済指標長期時系列兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成29・30年度の動向と平成31年度の見込

c Copyright, Graduate School of Disaster Resilience and Governance. All rights reserved.