Project2:兵庫県地域別GRP

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の2018年度の動向と2019年度/2020年度の見込

2020/07/06

1.2018年度の兵庫県経済を振り返ると、米中経済摩擦の影響から後半に外需が減速したものの、人手不足を背景とした省力化投資、設備の老朽化に伴う更新需要やなど投資も活発で、企業部門を中心とした成長の動きが続いた。家計部門においても、所得環境の改善などから、個人消費は緩やかな増加ペースを維持した。
 こうした底堅い動きから、2018年度(平成30年度)を通じてのGRP(実質値)は、前年度に比べプラスを維持した。もっとも、プラス幅は、2017年度(平成29年度)よりも縮小し、若干増にとどまった。

2.2019年度の兵庫県経済は、年度前半の動きに関しては、中国経済減速の影響など外需の動きが弱まった一方、内需は前年度に続き底堅く推移した。個人消費が10連休となったGW時の寄与や、前例に比べ小幅であったものの消費増税前の駆け込み需要もあって堅調に推移した。企業部門は、人手不足への対応などで域内における設備投資の増加基調が持続した。もっとも、年度後半になると、消費増税前の駆け込み需要の反動から、個人消費や設備投資が減速した。駆け込み需要が小幅であった分、その反動減も限定的であったものの、年度末にかけ、新型コロナウイルスの広がりから、インバンド消費の大幅な下振れ、商業施設における自粛営業など、消費の低迷度合いが増した。

3.2020年度(令和2年度)の兵庫県経済は、期初から新型コロナの影響から、大幅な縮小となった。世界的な流行を背景に、輸出が停滞し、海外との行き来が制限されるなか、インバンド需要がほぼゼロとなった。内需も、企業部門では、減益、先行きの不透明感から設備投資が低迷し、外出自粛、雇用機会の喪失に伴い個人消費が減小した。緊急事態宣言の解除により、家計や企業の活動が出てきてはいるものの、萎縮したマインドを払拭していくには、時間を要するため、安定した動きを取り戻すのは来年度以降になると見込まれる。

資料データ

経済指標長期時系列兵庫県内の地域別GRP(支出側)の2018年度の動向と2019年度/2020年度の見込

c Copyright, Graduate School of Disaster Resilience and Governance. All rights reserved.